
遺品整理が家族に与える負担とは
物の多さ=負担の大きさ
遺品整理でもっとも時間と手間がかかるのは「モノの多さ」です。長年かけて積み重ねてきた生活の跡は、想像以上の量になります。「もったいない」「いつか使うかも」と残していたモノたちが、いざという時には“負の遺産”になることも。
特に、押し入れの奥や物置、タンスの引き出しの中などは、ひとつひとつ確認が必要です。要る・要らないの判断をするだけでも、家族にとっては大仕事。体力的にも精神的にも負担がかかります。

母の家を片づけたとき、台所の棚から10年分の食器とタッパーが出てきて…。捨てるのにも勇気がいりました。
思い出の品に向き合う精神的ストレス
遺品整理で特につらいのが、「思い出の品」に向き合う時間です。写真、手紙、服、日記…。それらを手に取った瞬間、涙があふれて作業の手が止まってしまうことも珍しくありません。
心の整理がつかないまま作業を進めなければならない苦しさ。それが、遺された家族のストレスになっていきます。だからこそ、元気なうちに「これは残して」「これは処分していいよ」と伝えておくだけで、家族の心の負担はぐっと軽くなります。



アルバムを見つけたとき、思い出がよみがえってしまって手が止まりました。片づけというより「別れの儀式」みたいで辛かった。
兄弟間や親族間での意見の違い・トラブル
遺品整理の場面では、兄弟や親族間で意見が食い違うことも多くあります。「この家具は形見にしたい」「いや、もう処分しよう」…そんなやりとりが続けば、小さな亀裂が大きなトラブルに発展することも。
感情的になりやすい場面だからこそ、冷静に話し合うのはとても難しいものです。事前に本人の希望がはっきりしていれば、こうした衝突は避けやすくなります。



姉と私は母の思い出を残したかったのに、弟は「全部業者に任せよう」の一点張りで…。最後は口もきかなくなってしまいました。
費用負担、時間、手間のリアル
遺品整理には、実際にかかるお金や時間の問題もあります。業者に依頼すれば10万円以上かかることも珍しくなく、特に一軒家や物が多い家庭ではさらに高額になることも。また、仕事を休んで実家へ通う交通費、宿泊費などの出費も地味に負担になります。
さらに、想像以上に時間がかかるのが実情です。1日では終わらず、何日も何週間もかかるケースもあります。「もっと早く準備しておけばよかった」と後悔する声も多く聞かれます。



父の遺品整理にかかった費用が20万円以上で驚きました。時間も休みのたびに片づけに通って3ヶ月。想像以上の重労働でした