
終活でできる「遺品整理の準備」
【生前整理】必要なもの・不要なものを分ける
生前整理とは、今のうちに持ち物を見直して、必要なものとそうでないものを整理しておくことです。これは“捨てること”が目的ではありません。自分の人生を振り返り、大切なものに気づく作業でもあります。
たとえば、古い服や使っていない調理器具、本棚に並んだままの本…。ひとつひとつ見直していくと、意外と「もういらないかも」と思えるものが多いはず。無理に一気にやる必要はありません。週に1つだけでも“手放す”ことを続ければ、少しずつ身軽になれます。

「モノが少ない=家族の負担が少ない」につながります。「お気に入りだけ残す」つもりで、気軽に始めてみましょう。
【エンディングノート】残すもの・手放してよいものを明記
エンディングノートは、自分の気持ちや希望を書き残すノートです。財産や葬儀のことだけでなく、「この写真は残して」「この書類は捨てていいよ」といった遺品に関する意思表示もできます。
特に大切なのは、「手放していい」と明言しておくこと。遺された家族は、捨てていいのかどうか迷うことが多いのです。「親が大切にしてたかも」と思うと、簡単には処分できません。だからこそ、はっきり伝えておくことで、家族の判断がぐっと楽になります。



高価なものや思い出の品はもちろん、処分してほしい物も一言添えるだけで、家族への優しさになります。
【デジタル遺品】スマホやPC、SNSなどのIDとパスワード管理
今や「デジタル遺品」も、終活で欠かせない準備のひとつです。スマホやパソコン、SNS、ネット銀行、通販サイトなど、多くの人が複数のサービスを利用しています。それらがロックされたままでは、家族が困ってしまいます。
まずは、IDやパスワード、サービス名を書き出して保管しておきましょう。紙に書いて金庫にしまう、USBにまとめて家族に預けるなど、方法は自由です。ただし、セキュリティには十分注意し、信頼できる人に伝えておくことが前提です。



「あとでまとめよう」と思っているうちに忘れがちです。気づいたタイミングで、まずはひとつだけでも書き留めておきましょう。
【形見分けの意思表示】誰に何を託したいかを書いておく
形見分けは、故人の思いを残す大切な儀式です。しかし、誰に何を渡すかを決めていないと、「あの人にあげたかったのに」と後悔が残ることも。事前に、特定の人に託したいモノがあれば、はっきり書き残しておくと安心です。
また、家族や親族間でのトラブルを防ぐ意味でも、意思表示はとても大切です。たとえば、「この指輪は娘へ」「時計は息子に」など、具体的に書いておくことで、誤解や不公平感を避けることができます。



思い出のモノこそ、言葉にして残すと“贈り物”になります。家族への最後のメッセージとして、やさしく伝えてみましょう。