
名義変更以外の選択肢(売却・廃車)
売却する場合
遺品車を売却する際は、相続人が名義変更してから売る方法と、相続関係書類を整えて買取業者に依頼する方法があります。多くの業者は相続車両に対応しており、戸籍謄本や遺産分割協議書を提出すれば取引可能です。売却すれば現金化でき、相続人で分配することも容易になるため、維持が難しい車は早めに売却を検討すると良いでしょう。
廃車にする場合
使用予定のない遺品車は廃車にするのも選択肢の一つです。廃車には解体を伴う「抹消登録」と一時的に使用を止める「一時抹消登録」があります。廃車時には自動車税や重量税、自賠責保険の未経過分が還付されるケースもあり、経済的負担を軽減できます。手続きは解体業者やディーラーに依頼でき、名義変更を済ませてから行うのが原則です。
専門家・業者に依頼する場合
名義変更の手続きは自分でも可能ですが、戸籍関係や遺産分割協議書の準備に手間取ることも多いため、専門家や業者に依頼する方法もあります。行政書士に依頼すれば書類作成や申請を代行してもらえ、車買取業者や遺品整理業者の中には「名義変更込み」で対応してくれるところもあります。費用は数万円かかる場合がありますが、時間と労力を省けるため、手続きに不安がある人には有効な選択肢です。
まとめ
遺品整理で残された車は、思い出や価値がある一方で、名義変更を怠ると大きなトラブルにつながる可能性があります。車検証の名義が故人のままでは運転・売却・廃車ができず、自動車税や自賠責保険の手続きも滞ってしまいます。さらに、事故が起きた場合に保険が適用されないリスクまで抱えるため、相続人は速やかに手続きを行うことが欠かせません。
手続きの流れとしては、まず相続人を確定し、遺産分割協議書や戸籍謄本といった必要書類を揃え、運輸支局(普通車)や軽自動車検査協会(軽自動車)で名義変更を行います。その後、自動車税や自賠責保険の名義を切り替えることで、ようやく正しく利用・処分できる状態になります。
もし車を使わないのであれば、売却や廃車といった選択肢もあり、いずれも名義変更が前提となります。自分で手続きを進めるのが不安な場合は、行政書士や業者に依頼する方法もあります。多少の費用はかかりますが、確実で安心です。
遺品車の名義変更は単なる形式ではなく、相続人の生活を守るための重要な手続きです。早めに準備し、円滑に進めることで安心して次のステップに進むことができます。

遺品車の手続きは大変に感じるかもしれませんが、一つずつ進めれば必ず解決できます。焦らず確実に対応していきましょう。