
【分類別】遺品整理で残すべきもの・捨ててはいけないもの
(1) 法的・手続きに必要なもの
遺品整理の中でも特に重要なのが、各種の法的書類です。戸籍や住民票、印鑑証明は相続手続きや銀行口座の解約に不可欠です。さらに、預金通帳やクレジットカード、保険証券や年金関係の書類は、故人の財産や未請求の給付を確認するうえで必ず必要になります。不動産権利書や各種契約書類も同様に、法的効力を持つため絶対に処分してはいけません。外見上はただの紙でも、生活や相続の大切な証拠であり、遺族にとっての大事な財産の一部です。
(2) 金銭的価値のあるもの
遺品には、家族が気づかないまま高い金銭的価値を持つ品が含まれている場合があります。貴金属や宝石類、骨董品やブランド品などは市場価値が高く、安易に不用品として処分すると大きな損失につながります。現金や商品券はもちろん、株券や投資関連の書類も重要な財産の一部です。故人にとって日常的な品でも、価値を持つものは多いため、専門業者や鑑定士に確認してもらうことも有効です。判断を急がず、必ず価値を確認してから対応しましょう。
(3) 思い出・記憶に関わるもの
写真やアルバム、手紙、日記といった思い出の品は、金銭的価値には換算できなくても、家族の心の拠り所となります。特に子どもや孫世代へと受け継がれる卒業証書や作品などは、家族の歴史を伝える大切なバトンです。一度処分してしまえば二度と戻らず、後に「残しておけばよかった」と強く後悔する例も少なくありません。迷った場合は一時保管し、時間をかけて家族で話し合いながら残すものを決めることが望ましいでしょう。
(4) デジタル関連のもの
近年は、故人が残したパソコンやスマホ、USBやHDDなどのデジタル機器にも重要な情報が保存されています。中には写真や文章など思い出のデータが残っていることもあれば、銀行や証券口座のログイン情報、SNSやクラウドサービスのアカウント情報など、個人情報や財産に直結するデータもあります。これらを不用意に処分すると個人情報流出や資産の喪失につながるため、必ず確認とデータの保全を行い、適切に対応しましょう。
(5) 宗教・供養に関わるもの
位牌や仏壇、遺影、神棚、お守り、人形などは、遺族や地域の習慣により適切な供養が求められる品です。特に位牌や仏壇は単なる物ではなく、精神的な意味や宗教的価値を持つため、粗雑に扱うと遺族の心情を傷つける恐れがあります。人形やお守りも、供養やお焚き上げを通じて感謝の気持ちを込めて処分するのが一般的です。宗教施設や専門業者に相談し、地域の慣習や家族の意向に沿った形で対応することが大切です。